今からメムリンクを見てもらいますが対象的です。
聖セバスチャンの殉教
●さてメムリンクです。この人は美しく静かに描いたといわれています。例えばそちらにある「聖セバスチャンの殉教」の絵ですが、ハツとする絵ですが、非常に静かに描かれています。矢で殺されている残酷な場面ですが静かで誠実な感じて描かれており、ボッシュとは対照的です。このメムリンクはドイツで生まれまして、ケルンとブリュセルで修行しまして、ロヒエール・バイデル・ワンデルウエルデンの弟子でしたが、最終的にはブリュージュで市民権も得ました。そこで亡くなりました。こちらのポートレートも彼の作品です。

聖母子像

●これも彼の作品で「聖母子像」です。非常に繊細にきちんと描いているのですが、構図が少しおかしいのですね。例えばおっぱいはこの辺にはありませんよね。細部はきちんとしているのですが、全体としておかしいところもあります。幼稚なところもあるわけです。この赤ちゃんも大人の顔がただ小さく描かれていますね。この人は本当に細部にこだわっていまして、ブリュージのメムリンク美術館に行きますと、作品の中で殺された人の首を持っている鎧を着ている人がいるんですが、その鎧に写っている様子が描かれています。
●ブリューゲルは42歳頃亡くなっているのですが、その時2人の子供がいたんですね。お兄さんの方はお父さんの絵をずっと模写していました。お父さんから絵の手ほどきを受けるまもなくお父さんが亡くなってしまいましたから。弟のヤン・ブリューゲルはルーベンスと並んでオーストリア大公のお気に入りの画家だったわけです。これは東方の3賢人の絵ですが保存状態が危ない作品です。


イカロスの墜落
●さてこちらはブリュッセルの宝物といわれているものです。去年日本にも展示会で行っています。これは「イカロスの墜落」と云う作品ですが、イカロスは何処に描かれているの?と云う感じの絵です。イカロスはここに海の中で足をパタパタさせているこれです。つまり理想を求めていろいろ言っているけれど、普通の人はそんな事に意もかいしないで、日々の生活を送っているという非常に皮肉をこめた作品となっています。
●ブリューゲルはイタリアにも行くのですが、影響を受けなかったのですが、唯一影響を受けたのがもここネーデルランドは平地ですが、アルプスを越えたことにより高いところからの視点を体験したことだという事です。ですから鳥のように高い視点からの絵が多くなっています。