衣装室
●この部屋はいまわれわれのいるアパルトマンの衣装室でした。天井の高さは4.8mありました。現在寝台の横に残っているような戸棚に衣装を入れていました。衣装室は大抵北側の寒い部屋です。服やかつらに付く虫の繁殖を抑えるためです。18世紀のはじめには、大邸宅の至る所に知的で居心地の良い場所がいくつも作られるようになり、そのため中2階が作られます。この部屋の天井が低いのはそのためです。19世紀この衣装室は寝室に改造されました。アルコーブはかっての暖炉の跡に作られています。浴室同様壁の板張りはリエージュのレジャンス様式です。天井の金色スタッコは優雅で、個性的な花のモチーフであります。
●「17世紀のマルシャン伯爵の息子ジャン・セルビナンが住んだ控えの間」彼は父親が死ぬまで、クランビル伯爵の地位にありました。天井は木の板に似せて塗装されますが、スタッコの貝や花環などはジャン・クリスチャン藩主の作品です。谷に向かう大きな窓のあるこの部屋の装飾は時代により変化しました。18世紀扉と家具の板張りは、リエージュのレジャンス様式に変えられました。19世紀上部の板張りに金色スタッコの花瓶や花かごの装飾は、胡桃のこぶをまねた装飾が加えられました。シャンデリアは女性の虚像と跳ねる犬で飾られており、暖炉は金箔木長、その上にある小天守の蜀台2つなど全て19世紀のものです。


塔の部屋
●この名前がつけられたのは20世紀のことです。中世のお城の塔はこの部屋にはありません。天井と暖炉の装飾はジャン・クリスチャン藩主の作のものです。暖炉の上にはバンダイクの肖像画のコピーもあります。部屋を明るくし、夕日の谷を見やすくするため、19世紀には暖炉の両側に2つの窓が作られました。回収では以前のように窓を取り付けて明るくなりました。又壁には古い資料をもとに、再現された布が張られました。17世紀の流行に従い、寝台とルイ14世紀様式の肘掛け椅子には同じ布が張られていました。天蓋付きの寝台は19世紀のものですが、柱だけはイタリア ルネサンスの古いもので、折衷主義の代表的なものです。過去の色々なものをまぜて行う主義です。